18の時に。高校3年の時点で、将来自分が何になりたいのか明確に出来てい

18の時に。高校3年の時点で、将来自分が何になりたいのか明確に出来ている奴っていうのはどのくらいいると思うだろうか。



教職をある程度長くやっていると、思い出せ、と言われても思い出せない生徒というのは一定数いる、と思う。別に言い訳じゃないんだけれど、向こうにとっては数十人の中の先生であっても、こちらからすると何百人の中の生徒の一人になる訳で。それを何年も繰り返していると何千人の中の一人になり、つまり、何を言いたいのかというとそんな中、全員をずっと覚えていろと言われても結構厳しくない？って事だ。

まぁ、俺なんかとは違って、もちろん全員覚えてますよ！だなんて数十分前、自信満々に仰っていた先輩は大変人間が出来ていて、それが模範となる教師像なんだろうけど。うん。申し訳ないけど、俺には無理だな。人間には限界というものが必ずあるし。限界は超えるものだ！だなんてそんな熱血漫画やドラマみたいな精神も考えもないし。俺ゆとり世代だし。とまぁ、開き直って諦めている俺はやっぱり教職が向いてないのかもしれないと今更な考えがチラつく。

でもさぁ、なんだかんだ10年以上続けているし、向いてねぇなって思う時もあれば、やっぱなって良かったなぁって思う事もそれなりに多くあるのよ。どの職業にも言えることなんだろうけど、働いてると苦労もあれば、やりがいを感じる時もある。いい事と悪い事、全部含めてやっぱ面白ぇ職業だなぁ教師ってやつは、ってそう落ち着くって事は向き不向き関係なく単にこの職業が好き、なんだろうなぁ。……と。これ考え出すとキリがないし、話もズレたし。続きが気になる奴は放課後にでも俺のところに来てくれれば進路相談も兼ねて話してやるぞ。あ？興味ねぇ？知ってるよんな事はさっきからしらけた目を向けるお前らの態度見てればよォ。

人生の先輩の話より、お前らが興味あって聞きてぇ事ってあれだろ？今日来る奴らの事だろどうせ。初めに言っておくけどな。俺はどっちの担任も持った事ねぇからそんな詳しくはねぇぞ？俺の知ってるあいつらのエピソードと言えば、この学校に務めてた他の先生とか、そん時同世代だった生徒の連中なら皆知ってる事ばかりだし。おい、今あからさまに使えねぇって顔したろ。お前、お前だよ山田！ふーん、そういう態度を先生に取るわけね。取っちゃうのね。ふーん。そっかぁ。じゃぁ、山田のせいで俺の知ってる数少ないあいつらの面白ぇ話とか伝説とかも聞けなくなるって事だけど、いいの？え？聞こえないんですけど？おう。分かればいいんだよ。分かれば。そういうね、目上の人に対する態度を学ぶっていうのもほんと、大事なお勉強だからね。社会に出たら卓上のお勉強よりも役立つから。覚えておくように。