事物が貨幣と交換されるかぎり、――同様に物々交換においてではない――事物はこの非個性性に関与し、人びとが事物におけるあの特殊な価値の欠如をもっとも明瞭に表現できるのは、人びとが価値の場所を価値の貨幣等価によって隙間を感じないように満たすばあいである。貨幣はたんに絶対的に代替可能な対象であり、それゆえそのいかなる量も任意な他の部分によって無差別に取り替えられることができるのみでなく、それはいわば事物の代替可能性そのものでもある。貨幣の以上に示したものは二つの極であり、すべての価値物はともかくそれらのあいだに立ち、一方はまったく個性的なものであり、われわれにとってのその意義はなんらかの客体においても同様に表示できるなんらかの一般的な価値量のなかにはなく、われわれの価値体系の内部におけるその位置は他のものによっては埋められず、他方はまったく代替可能なものである