従来、ダは指定の助動詞とされてきたが、これは文を構成する中立的な要素であり、軽動詞として扱う。動詞につかない点でも、他の助動詞と異なるもので、同一のカテゴリ一には分類しにくいためである。むしろ名詞など用言になれない文に述部を作るのに用いる基本的な無標の形式をダと見るのである。ダがつく文は断定文と言われることがあるが、例えば(1)だけが断定で(2)(3)に断定性がないとは言えない。つまり、述語を形成する最小の要素だけでできた文は原則として断定に解釈されるのであって、ダが断定の機能そのものを持っているわけではない