たとえばあるときに家族に助けを求めた。断られた。それは単に断られたということではない。家族という社会的枠組みに対する信頼感の喪そう失しつである。今、若いのに心底消しよう耗もうしているのは、受験勉強で消耗しているのではなく、ありのままの自分を受け入れてくれない人に、気に入られようと努力しているから、消耗しているのである。ありのままの自分を受け入れてくれない人との関係を切って、自分にとって望ましい人間関係をつくり、適切な目的を持ってがんばっていれば消耗はしない。どんなにがんばっても消耗しない。自分の今の劣等感の原因を正しく理解しないかぎり死ぬまで幸せにはなれない。努力しても、努力しても努力の成果が裏目に出る。ただ「ありのままの自分でいい」というのは開き直りの言葉ではない。自分ができることを口先ではなく、行動に移して、精一杯努力して、そのうえでありのままの自分が受け入れられる。 自分のできることのなかで、精一杯行動する。だからありのままの自分でいいのである。