また「縮字」は通用鉄銭で見つけやすい銭種ですが、改造母系の写しとともに、段階を踏んで作られてもいたようです。ただし砂抜けが悪く、母銭として質があまり良くなかったので、この系統の直接的な子(通用)を判別するのには手間がかかります。鋳写し母銭は、中間段階のものなので、通常の貨幣鋳造の流れでは、原母に相当します。すなわち、大量鋳銭のための汎用母銭を作るための工程で生まれたものなので、存在数は極めて希少です。舌千大様や水永の母銭がどれだけ少ないかは十分に認知されていると思いますが、この種はそれよりはるかに入手が困難です。