並列化のためのオーバーヘッドが、並列化によって得られる性能向上の恩恵を上回ってしまうこともありえる。例えば複数のプロセスやスレッド上で並列処理しようとする場合、各プロセスやスレッドの起動/終了処理およびデータ分割/統合処理などにかかる時間の合計が、並列化によって短縮された時間の合計を上回ってしまうと、並列化することで逆に処理性能が低下してしまうことになる。そのほか、物理的なプロセッサコアの数を上回るプロセスやスレッドを起動して並列処理をしても、コンテキスト切り替えのオーバーヘッドなどがかさむことで、かえって性能が低下してしまう。