そんな時、私はとある後輩との約束を思い出すんです。まだコロナが世間を脅かす前、AKBとしての目標やモチベーションがないというその子に「私の卒業コンサートはメンバーみんながAKBにいて良かったと思えるものにする」と言いました。その半分は本心であり、半分はその子を励ます為に咄嗟に口から出た言葉。そんな頼りない約束に、彼女は疑うことなく静かに頷いてくれました。周りくどくなってしまいましたが、私がさっさと卒業しない理由。それは、卒業コンサートこそ私ができるグループへの最大の恩返しになるのではないかと考えているからです。幾度となく立ち会ってきた卒業コンサート。その中でも印象に残っているのは、そのメンバーと関わりの深い卒業生が登場し、会場は沸き、笑いあり涙ありで見送られるシーン。これはまだ理想の段階に過ぎませんが、私の卒業コンサートが行われる際には同期をはじめ、様々な卒業生が一堂に会してくれたらいいなと、その最後の機会になるのではないかと思っているんです。