上記ブラシレスモータにおいては、各相のコイルへ励磁電流を供給する通電タイミングを、磁気センサの出力信号の立ち上がり時点(正転時)や立ち下がり時点(逆転時)に合わせて制御しているが、この通電タイミングを磁気センサの出力信号の立ち上がり時点や立ち下がり時点よりも進める進み位相制御を行えば、損失を抑えてモータ効率を上げることができる。そこで、磁気センサの位置をティースの中心から例えば電気角で30°回転方向にずらして進み位相制御を行うことが考えられるが、この場合、デルタ結線で各相のコイルを直列に接続したブラシレスモータであると、磁気センサが検出するセンサ磁束がステータ磁束の影響を受け、ロータの回転位置がずれて検出されるおそれがある。【0005】 そこで、本発明は、各相のコイルが直列でデルタ結線されるブラシレスモータであっても、ステータ磁束の影響を受けることなく進み位相制御が行え、モータ効率の向上が可能となる電動工具を提供すること目的としたものである。【課題を解決するための手段】【0006】 上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内側へ突出する6つのティース間にスロットを有するステータコアと、ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、各インシュレータを介して各ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相のコイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、 ロータコアと、ロータコアに保持される4つの磁石とを有してステータの内部で回転可能なロータと、 ステータに固定され、ロータの回転を検出する3つの磁気センサを有してインシュレータに固定されるセンサ回路基板と、を備え、 3つの磁気センサを、ロータの回転方向で隣り合う3つのスロットの略中心に対応する位置にそれぞれ設けて、ロータの正逆何れの回転方向においても、各相のコイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能とする一方、 全てのコイルは、一本のワイヤを順番に、対角に位置する2つのティースを一相分としてそれぞれ一相分ずつ巻回することで形成されて、一方のインシュレータ側で一相分のコイルの間のワイヤがそれぞれ三相の電源線と接続されると共に、各相のコイル間を繋ぐ渡り線となる全てのワイヤは、他方のインシュレータ側でその半周分ずつそれぞれ引き回して配線されていることを特徴とするものである。 上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、内側へ突出する複数のティース間にスロットを有するステータコアと、ステータコアの軸方向の両端部にそれぞれ保持されるインシュレータと、各インシュレータを介して各ティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、各相のコイルが直列巻きでデルタ結線されるステータと、 磁石を有してステータの内部で回転可能なロータと、 ステータに固定され、ロータの回転を検出する磁気センサと、外周から中心に向けて形成され、ステータの軸方向でスロットに重なる複数の切欠部と、切欠部の間に形成されて放射方向に突出する固定片と、を有し、固定片は、ステータの周方向で、インシュレータへのネジ止めと、インシュレータに設けたボスが差し込まれる位置決めとに交互に使用されるセンサ回路基板と、を備え、 磁気センサを、ロータの回転方向でスロットの略中心に対応する位置であって、切欠部の径方向内側に設けて、ロータの正逆何れの回転方向においても、各相のコイルへの通電タイミングを所定の進角で進める進み位相制御を実行可能としたことを特徴とするものである。 上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、内側へ突出する複数のティース