この『 前衛仙術』は、初公開の〈イメージフォーラム・フェスティバル`03〉でも話題を呼び、《第50回国際短編映画祭・オーバーハウゼン》では国際批評家連盟賞を受賞しています。 誰しもが年をとると様々な機能が衰えてきますが、ぼくの中には「若い時の付録のような生き方は御免だ」という《別人=勝丸》が棲んでいます。彼は《前衛仙術》なるものを編出してその修業に明け暮れていましたが、そんな或日その《仙術》を使って二羽の山鳩を呼寄せて、目の前で営巣させたではありませんか~~! この山鳩の雛の育成などを含めて彼は様々な《奇跡》を起こしてゆきますが、それらは決して絵空事でも種と仕掛けのあるマジックでもありません。実際に目の前で展開してゆくのは摩訶不思議なる現実で、他に類例を見ない怪作にして快作也! (『前衛仙術』はドイツでも人気があり、街を歩いていると「ファンキー!ファンキー!」と良く声を掛けられました。確かに口当たりの良い作品なので何の抵抗もなく国境を超えられる《気安さ》がそこにあるのかも知れません。 その一方で年輩の方のなかにはその《別人》の存在に共感を覚えてくれる方も多く、オーバーハウゼン映画祭の前・ディレクターであったアンゲラ・ハートさんもそのひとりでした。そして上映後の質問で「大変に面白い作品~~ ぼくはニューヨークから来たのですがこれをニューヨカーに見せるにはどうすれば良いのか?」といってくれた方も、ぼくと同年配の男性でした~~ 感謝。)