請求項1-4に係る発明は、哺乳動物胚のインビボ生存率を向上する培養方法に係る発明である。一方、本願の発明の詳細な説明には、哺乳動物胚のインビボ生存率を向上する方法を構成する具体的な工程について複数記載されている(実施例1-3)。しかしながら、当該具体的な工程で培養した胚がどのような状態であったかを検討したことは記載されておらず、具体的なデータを伴う記載もない。ここで、請求項1の(1)から(3)に記載されるヒツジ胚の培養方法は、従来から行われているものにすぎないところ(必要であれば、引用文献1全文等を参照されたい。)、一定の温度と一定濃度の二酸化炭素を維持できる構成のインキュベータであれば、哺乳動物胚のインビボ生存率を向上できることが明らかであるとはいえないことが本願出願時の技術常識である。また、そもそも、請求項1に記載された構成のインキュベータが、一定の温度と一定濃度の二酸化炭素を維持できることも確認されていない。そうすると、そのような培養方法で哺乳動物胚のインビボ生存率を向上する条件を検討することは、当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤又は複雑高度な実験等を要するものである。