「うぐぅっ!」 ドスッと彼女の制服に拳が撃ち込まれ、表情が僅かに曇る。体を鍛えている翡翠であったが、腹部には相手の拳を受け止めるほどの腹筋はついてはいなかった。制服に隠れた腹筋が凹み、かみしめたその口の端から光るものが僅かに零れる。 そこへ少年の追撃の拳がやってくるが、そちらは鞄でしっかりと受け止める。打たれた衝撃のまま、小柄な体躯を後ろへと動かして距離をとる。そこを狙ってバスケットボールが飛んできたが、狙われていることがわかっているなら受け止められる。開いている方の手で飛んできたバスケットボールを防いだ