症例は68歳,女性。2009年7月,近医で掌蹠膿疱症と診断。同年11月,肝機能異常を指摘され近医に入院。末梢血中の異常リンパ球およびHTLV-1抗体陽性のため同月,当院に転入院。入院時WBC 12,100/μl, 花びら状核を有するリンパ球31.3%, リンパ節腫脹,LDH高値より急性型ATLLと診断。掌蹠膿疱症はステロイド外用剤と紫外線照射である程度改善した。ATLLに対するCHOP療法,LSG-15療法など種々の化学療法は効果不十分であったが,2010年2月,部分寛解の状態でHLA-A 1座不一致の血縁ドナー(HTLV-1抗体陰性)より末梢血造血幹細胞移植を行った。前処置はfludarabine+melphalan+3 GyのTBIであった。移植後,ドナー由来の造血が生着し,ATLL細胞も消失した。残存掌蹠膿疱症は移植後よりさらに軽快し,day84の退院時には完全に消失し,現在に至っている。